時代考証学会 第8回サロン
原 基晶氏(東海大学講師)
「幻の都市」
開催趣旨
時代考証学会第8回サロンでは、これまであまり取り上げることが出来なかった2つの課題を考えてみたいと思います。それは、描かれる舞台としての「ヨーロッパ」、メディアとしての「マンガ」です。
これまでの時代考証学会での取り組みの中で、とりわけ課題だったのは、メディアとしての「マンガ」であり、描かれる舞台としての「外国」です。学習マンガの制作過程については第5回シンポジウムで編集者の視点から検討を行いましたが、マンガという方法で表現される歴史叙述や、そこに監修や時代考証として専門家が関わることの意味、その実際の様子については、わからないままでした。また、日本以外の地域を舞台とする時代劇メディアについても、作品の多さに比して、歴史的な観点から分析が為されることはほとんどありませんでした。
外国の歴史を題材にしたマンガは、数多くの名作と呼ばれる作品が創られてきました。多くの人にとって、日本以外の地域の歴史像にマンガが与えた影響は大きいはずです。また、近年の傾向として、作者が参考文献として歴史や美術研究者の文献を挙げたり、専門家が監修や考証として関わり、史料や研究を前提とした作品が発表され、大きな反響を呼んでいることがあります。
今回ご報告いただく原基晶さんは、イタリア文学やルネサンス文化・歴史の研究者として知られ、またダンテ『神曲』の全訳で知られる方です。一方、ルネサンス期のイタリアの政治家チェーザレ・ボルジアの生涯を描いたマンガ『チェーザレ ~破壊の創造者~』(惣領冬実作)に、企画段階から監修を勤められています。
今回は、原基晶さんに、『チェーザレ ~破壊の創造者~』での監修のご経験をもとに、マンガというメディアで中近世移行期のヨーロッパを描くことについて、お話しいただきます。
日時:2017年4月2日(日)14:00~17:00
会場:帝京大学霞ヶ関キャンパス 教室1
(東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー9階)
アクセス:
●東京メトロ有楽町線、半蔵門線、南北線「永田町駅」
より徒歩約1分(4番出口)
●東京メトロ銀座線、丸ノ内線「赤坂見附駅」より徒歩約6分(7番出口)
資料代 200円
※大勢の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。