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シンポジウム

明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証

多くの記録が残され、我々の身近な人々が生きていた明治・大正・昭和。現在に近い時代を考証する困難性はどこにあるのか。そして、史実に沿うノンフィクションにおいても時代考証が求められるのはなぜか。近現代史とノンフィクションにおける考証実務や作品の考察から、虚構と現実の間を埋めるという重要な役割を持つ「時代考証」がもつ可能性の広がりを考える。

本書は、第7回「明治・大正・昭和を考証する―時代考証の現場から」と第8回「時代考証学とノンフィクション」のシンポジウムと、これに関連する論考・コラムを収録したものである。当会はこれまで、江戸時代や戦国時代の歴史についての時代考証を主に取り上げてきた。今回はそれらの成果をふまえ、近現代史やノンフィクション作品についての時代考証にかかわる議論の成果を初めて刊行する。

  • 著者大石学・時代考証学会 編

  • 出版社勉誠出版

  • 定価本体3,200円+税

  • 出版年2023年

●目次
巻頭言 近現代時代劇・時代考証の歴史的前提―リアリズムの視点から(大石学)
序 論 時代考証にとって現実とはなにか(鈴木一史)

第1部 明治・大正・昭和を考証する
1 近現代を描いた時代劇メディアと歴史学(花岡敬太郎)
2 NHKドラマ『負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~』―『白洲次郎』などを考証して(小田部雄次)
3 時代考証はアイデアの宝庫―近現代ドラマ制作現場からの報告(安達もじり)
シンポジウム「明治・大正・昭和を考証する―時代考証の現場から」
趣旨説明(鈴木一史)
パネルディスカッション(花岡敬太郎/小田部雄次/安達もじり/司会:門松秀樹)

第2部 ノンフィクションを考証する
1 歴史教養番組の構造と変遷(神谷大介)
2 シナリオ論証を通じて(落合弘樹)
3 歴史番組の”歴史”―制作者の視点から(谷口雅一)
シンポジウム「時代考証学とノンフィクション」
趣旨説明(神谷大介)
パネルディスカッション(神谷大介/落合弘樹/谷口雅一/司会:鈴木一史)

コラム 記憶をめぐる時代考証―時代考証学会第七回シンポジウムのアンケート回答から(神谷大介)
コラム ノンフィクション・歴史教養番組はどのような時代劇メディアか―時代考証学会第八回シンポジウムのアンケート回答から(中野良)

第3部 考証の枠を拡げる
1 時代劇の枠を拡げる―近現代を描いた時代劇メディア(三野行徳)
2 近代を考証する―『足尾から来た女』での経験から(石居人也)
3 戦争を考証する(加藤聖文)
4 戦争を描いた時代劇メディアと歴史学―『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証(山田朗)
5 『西郷どん』の軍装・洋装考証(刑部芳則)
6 ビデオ機器、時間、世界観―NHK大河ドラマ『花神』(一九七七年)と地域性(羽鳥隆英)

あとがき(時代考証学会編集担当/鈴木一史/神谷大介)

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