SOCIETY FOR HISTORICAL CONSULTING

学会の活動

一覧にもどる

2019/03/23

時代考証学会第12回サロン 幕末=明治維新表象と地域性 河井継之助(越後長岡藩)を中心に

時代考証学会第12回サロンを以下のとおり、開催いたします。

幕末=明治維新表象と地域性 河井継之助(越後長岡藩)を中心に

報告者

羽鳥隆英(新潟大学人文学部助教、国際日本文化研究センター客員准教授、東京女子大学現代教養学部非常勤講師)

これまで、時代考証学会では時代劇メディアと地域の歴史との関係性について、多くの議論を積み重ねてきました。時代劇メディアが地域の歴史叙述の内容や方法をどのように変化させ、人々に受容されていったのか。その過程で顕在化する表象とリアリズムの問題などに迫ってきましたが、今回のサロンでは逆のベクトル、すなわち地域の歴史が時代劇メディアに及ぼす様々な影響について考えていきます。

ご報告いただく新潟大学人文学部助教・羽鳥隆英さんは、演劇や映画の分析を通じて大衆文化の解明に取り組まれています。2016年には『日本映画の大衆的想像力 《幕末》と《股旅》の相関史』(雄山閣)を出版されました。同書は国民国家日本の建国神話に相当する幕末=明治維新表象について、大衆文化の中心に位置した映画に焦点を当て、1920年代から21世紀の《現在》に至るまでの過程を通時的に考察したものです。

そうした成果を踏まえ、今回のサロンでは、幕末=明治維新表象と地域性の相関史について、慶応4年(1868)の戊辰戦争において越後長岡藩を主導した河井継之助の事例などを取り上げてお話しいただきます。幕末剣劇『月形半平太』などを人気演目に持つ新国劇のような劇団が全国を巡業する場合、あるいは京都や東京の撮影所を起点に製作された大手映画会社の幕末映画が全国的に配給される場合、各地の地域性、特に幕末=明治維新当時の政治的立場は、実際の上演や上映にいかなる偏差を生み出したのでしょうか。
ご報告を通じて、時代劇メディアと地域との関係性について、議論を深めていければ幸です。

※多くの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

日 時:2019年3月23日(土)14:00開始
会 場:明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント 403D
(http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html)
アクセス:
■JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩約3分
■東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩約5分
■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩約5分
資料代 200円

追記:本サロンに関連する論考が『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』に収録されています。

一覧にもどる