大河ドラマの舞台となることは地域の歴史・文化にどのような影響があるのか。大河ドラマと市民の歴史意識、地域史研究との三者の関係構造を時代考証学という新たな学問領域によって切り結ぶ。
本書は、時代考証学会第1回フォーラムの成果報告集であり、大河ドラマを通した地域おこしや地域史研究の進展を一過性のものとせず、地域文化とは何かを見つめ直すための試みである。
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著者大石学・時代考証学会編
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出版社髙城書房
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定価本体2,500円+税
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出版年2012年
目次
序
第一部 時代考証学会第1回フォーラム「大河ドラマと地域文化―『篤姫』『龍馬伝』と鹿児島―」
趣旨説明(大石学)
時代考証という歴史叙述―大河ドラマ『龍馬伝』の実践から―(佐藤宏之)
大河ドラマと地域史―「篤姫」と鹿児島城大奥を中心に―(崎山健文)
大河ドラマ『篤姫』の時代考証を担当して(原口泉)
データベースから見る大河ドラマ―考証・指導と地域文化の視点から―(大橋毅顕)
地域社会が大河ドラマから学び取るもの
―放送前と放送後の取り組みとその効果・変化について―(中原國男)
大河ドラマ『篤姫』と『龍馬伝』のなかの薩摩(土屋勝裕)
時代劇と鹿児島という舞台(榎木孝明)
パネルディスカッション(司会・三野行徳、工藤航平)
第1回フォーラム参加記(永島知織・飯田ゆり恵・榊将和)
地域文化創造の源泉としての大河ドラマとその再生産の可能性
―第1回フォーラムの成果と課題―(野本禎司)
地域文化としての大河ドラマ―第1回フォーラムアンケートから(望月良親)
第二部 観光資源から地域文化へ
大河ドラマのロケを迎える(有村博康)
大河ドラマ『龍馬伝』の地方ロケ―地方ロケをする理由―(津田温子)
大河ドラマ『篤姫』放映中の南日本新聞(江口淳司)
大河ドラマの誘致と観光振興(奈良迫英光)
「鹿児島歴史探訪コース」をめぐって(熊﨑惠理那・杉山綾・阿久津美紀)
あとがき(佐藤宏之)